DiscGenicsは、自社にて開発中の椎間板前駆細胞と米国退役軍人省が開発中の細胞加工椎間板との共同研究開発を進めることを発表

なおこの研究開発は、退役軍人省の技術移管計画のBRAVE  Fundingに実現可能性のあるプロジェクトとして認定され資金提供を受けました 

ソルトレイクシティー(ユタ州)- 2023年11月9日

脊椎関連変性疾患に伴う疼痛緩和および機能改善を目的とした再生医療等製品を開発する臨床開発ステージのバイオベンチャーであるDiscGenicsは、同社が臨床開発中の変形性椎間板症(DDD:  Degenerative Disc Disease)治療用の椎間板前駆細胞(DiscoGenic細胞)を、米国退役軍人省により開発が進められている細胞加工技術を用いた斜交構造の椎体終板(eDAPS)の作成に使用することの実現可能性について評価するため、基本的な科学的協同研究開発合意(CRADA)が締結されたことを発表しました。

eDAPSとは、米国退役軍人省とペンシルバニア大学の研究者らにより考案された、生きている細胞を加工して作られた再吸収可能な椎間板移植片ポリマーで、椎間板の本来の構造や機能に類似した特性を持ち、終末期の椎間板変性(IVD)患者の変性椎間板の置換に用いることを意図しているものです。

DiscoGenic 細胞は、成人ドナーのヒト椎間板細胞由来の生きた前駆細胞群として製造され、IDCT(一般名;rebonuputemcel)の名称で、軽度から中等度の成人椎間板変性症に対する治療製品候補として、DiscGenics社の治療製品開発エンジンです。

この進行中の協業を通して、研究者たちはDiscoGenic細胞由来のDiscGenics社独自の髄核や線維輪を用いて作成したeDAPSは、間葉系肝細胞を用いて作成したeDAPSとは構造的にも生化学的にも異なることを見出しました。

「DiscoGenic細胞由来のeDAPSは、ヒトの髄核や繊維輪の細胞源へ転換可能な椎間板移植片として使用でき、ヒトの頸椎椎間板置換のために最適な規模の椎間板を培養することができる細胞加工技術であることから、有望なトランスレーショナル開発である。」と、米国退役軍人省の主任研究者のSarah Gullbrand博士(Corporal Michael J. Crescenz VA Medical CenterのTranslational Musculoskeletal Research Centerの研究員、ならびにペンシルバニア大学の整形外科学教室のMcKay Orthopaedic Research LaboratoryのResearch Assistant教授)は述べています。

このプロジェクトは、米国退役軍人省の技術移管計画(TPP)によるBRAVE Fundingに認定され資金提供を受けており、この資金により連合された技術の研究がさらに進められるとともに、DiscoGenic細胞由来の移植実験が大動物を用いて行われる予定です。BRAVE Fundingとは、米国退役軍人省が保有する技術の革新を継続させること、退役軍人ならびに広く米国民への使用による利益のため、企業と連携してその技術価値を高めていくことを意図しています。

「DiscGenics社は、ペンシルバニア大学のVA Gullbrand博士、Robert Mauck博士並びに彼らのチームとこの重要なプロジェクトにおいて協業することは誇らしいことです。」とDiscGenics社のCEOで取締役会長のFlagg Flanaganは述べています。また、彼は「IVD変性による腰痛は、成人の運動機能を制限する最も一般的な要因で、弊社は軽度から中等度の椎間板変性症にIDCTを開発しています。しかしながら、重篤な状態まで椎間板変性が進行してしまった多くの患者さんには、外科的な介入が必要になるかもしれないと認識しています。我々のDiscoGenic細胞プラットフォームは、外科的な介入が必要な患者さんへの治療選択肢を大いに広げることができる変性椎間板の置換を可能にする移植方法を創成するものでしょう。」と述べています。

DiscGenics社の最高医学責任者のKevin T. Foley博士は、「既存の機械的な器具に代わって生物学的な椎間板による椎間板置換は、医療器具中心の治療様式から生物学的な細胞治療を通じた疾患の根幹治療へと、脊椎管理の規範とされてきた考え方を変え続けていくでしょう。」と追加コメントしています。

DiscGenicsについて

DiscGenicsは、脊椎関連変性疾患を患う患者の疼痛緩和および機能改善をする再生医療等製品の開発に注力する臨床開発段階にある未上場バイオベンチャー企業である。同社最初の開発品目であるIDCT(rebonuputemcel)は、軽度から中等度の有症状の変形性椎間板症の治療用の他家·相同利用の注射用DiscoGenic細胞加工製品である。IDCTは、成人ドナーのヒト椎間板細胞由来の前駆細胞群として製造された、生きたDiscoGenic細胞と粘性の溶媒との混合物による製剤である。IDCTは米国FDAにより再生医療先端治療(RMAT)の指定を受け、優先審査対象に認定されている。世界で唯一椎間板疾患を治療するための椎間板由来他家細胞治療製剤を開発した企業として、腰痛に悩む数多くの患者の痛みを減弱させる手術を伴わない組織再生の可能性を秘めた治療法を提供する、ユニークなポジションを有している。